2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧
木洩れ日抄 59 演劇の幸福──『柄本家のゴドー』を観て 2019.7.31 『ゴドーを待ちながら』の台本を睨みながら、柄本明がこんなことを叫ぶ。「そうそうそう! いいなあ。宝の山だ! これはすごいホンだ。」 ドキュメンタリー映画『柄本家のゴドー』のワンシー…
楽寧 27×37cm
日本近代文学の森へ (120) 志賀直哉『暗夜行路』 8 フィクションの威力 「前篇第一 一 」その5 2019.7.24 竜岡は文学者ではなくて、工科大学を出た技術者で、今度発動機の研究のためにフランスへ行くことになっている。この竜岡のモデルについてはまだぼく…
木洩れ日抄 58 文学が輝く一瞬──モノドラマ「キラ劇らんたん座 旗揚げ公演」を観て 2019.7.21 女優の松村千絵さんが新しく立ち上げた劇団「キラ劇らんたん座」の旗揚げ公演を観た。 「劇団を作る」というと、何となく何人かが集まって「集団としての劇団」を…
華有著身不著身 諸人のつらぬる袖に散りかゝる花もわきてぞ身にはしみける ● 【題出典】『法華玄義』 華に身に著(つ)くと身に著かざると有り (天女の散らす)花に、身に付くものと付かないものとがある。 【歌の通釈】 諸人が連ねる袖に散りかかる花(天…
日本近代文学の森へ (119) 志賀直哉『暗夜行路』 7 誤解 「前篇第一 一 」その4 2019.7.17 謙作が茶の間で着物を着替えていると、座敷から阪口と竜岡の話声が聞こえてくる。 二人は如何にも呑気な調子で話していた。謙作は何だか自分だけが鯱張(しゃちこ…
長楽永寧 ● 「長楽永寧」とは、 ずっと続く楽しみ、永遠の安らぎ、といったところでしょうか。 人間の世界にはなかなかありそうにもないですが。
日本近代文学の森へ (118) 志賀直哉『暗夜行路』 6 私小説的 「前篇第一 一 」その3 2019.7.12 主人公はその女が余りに子供らしく無邪気なために誰からも疑われないのを利用して、平気で友達の前でその女を《からかっ》たり、《いじめ》たりする事を書いて…
長楽永寧 半紙
水原秋桜子 啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 半紙
水原秋桜子 夏山は明けつつ月は野を照す ● 大分前に凝っていた書と写真との融合。 名付けて「コラ書」。 久しぶりにやってみました。
桜桃 半紙
水原秋桜子 滝落ちて群青(ぐんじょう)世界とどろけり 半紙 ● 季語「滝」夏 「帰心」昭和29年刊所収。 ● 高校国語の教科書にもよく載っている有名な句です。 秋桜子晩年の傑作と言われます。 なんといっても、「群青世界」の語が印象的。 この語は、中尊寺…
水原秋桜子 みづうみをこえくる雨や初蕨 半紙 ● 季語 初蕨 春 「新樹」昭和8年刊所収。 ● なんとも爽やかな句。 湖を渡ってくる風にのって春の雨が、 芽を出したばかりの蕨に降りかかる。 西洋画のような遠近感と 映画のような雨の動き。 そして鮮やかで透…
水原秋桜子 来し方や馬酔木咲く野の日のひかり 半紙 ● 季節はずれですが、それとは関係なく 近代の俳句をしばらく書いてみようかと思います。
日本近代文学の森へ (117) 志賀直哉『暗夜行路』 5 「事実」と「気持ち」 「前篇第一 一 」その2 2019.7.1 翌日(あくるひ)はどんより曇った静かな秋の日だ。午(ひる)過ぎて一時頃、彼はお栄の声で眼を覚ました。 そこへ竜岡と阪口がやってくる。その小…